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PTFEとPFAの違いを徹底解説|特性・用途・加工性から選ぶポイント

PTFEとPFAの違いを徹底解説|特性・用途・加工性から選ぶポイント

フッ素樹脂の代表格であるPTFEとPFA。どちらも高い耐薬品性と耐熱性を持つ優れた材料ですが、その特性や加工性には明確な違いがあります。
本記事では「PTFE PFA 違い」をテーマに、両者の特性を比較しながら用途や選び方を徹底解説します。
これから樹脂加工を検討されている方、素材の選定で迷っている技術者の方に役立つ内容をまとめました。

PTFEとPFAの基礎知識

まずはPTFEとPFAがどのような樹脂なのか、基本的な特徴を整理しておきましょう。いずれもフッ素樹脂に分類され、炭素とフッ素の強力な結合によって構成されています。この結合は非常に安定しており、酸・アルカリ・溶剤といった薬品にも侵されにくいのが特徴です。

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とは

PTFEは「テフロン®」という商標で広く知られています。耐薬品性・耐熱性に優れ、ほぼすべての化学薬品に耐えることができます。
しかし、溶融して流動する性質を持たないため、射出成形などの通常のプラスチック加工方法が使えません。そのため切削加工や圧縮成形で製品化されることが多く、ガスケットやシール部品などに利用されます。

PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)とは

PFAはPTFEと同様に優れた耐薬品性と耐熱性を持ちつつ、溶融加工が可能という特徴を持っています。射出成形や押出成形ができるため、複雑な形状の部品や透明性が求められる製品に適しています。半導体製造装置の配管やチューブ材として定番の素材です。

PTFEとPFAの違いを比較

両者の違いを整理すると以下のようになります。

項目 PTFE PFA
耐熱温度 -200〜+260℃ -200〜+260℃
耐薬品性 ほぼすべての薬品に耐性 ほぼすべての薬品に耐性
加工性 切削加工・圧縮成形が中心 射出・押出成形が可能
透明性 不透明 透明性あり
用途例 ガスケット、バルブシート、ベアリング 半導体配管、チューブ、タンク
コスト 比較的安価 やや高価

用途から見る選び方

実際にPTFEとPFAを選ぶ際には「どのような環境で使用するか」が重要です。両者ともに耐薬品性・耐熱性に優れているため、多くの化学環境で使えますが、加工性や透明性などの観点で差が出ます。

PTFEが適する場面

ガスケットやバルブシートなどのシール用途では、PTFEの柔らかさと耐薬品性が活かされます。高温下で安定して使用でき、摩擦係数が低い点からベアリングや摺動部材にも適しています。

PFAが適する場面

半導体製造装置や薬液配管など、透明性と成形性が求められる部品にはPFAが最適です。チューブやタンクに使用されることが多く、溶融加工できるため大量生産にも向いています。

選定のチェックリスト

  • 高温・高薬品環境で単純形状 → PTFE
  • 透明性や複雑形状が必要 → PFA
  • コストを抑えたい → PTFE
  • 半導体・精密機器用途 → PFA

よくある質問(FAQ)

Q1: PTFEとPFAの価格差はどれくらいですか?

一般的にPFAはPTFEよりも加工コスト・材料価格が高めです。理由は、PFAが溶融加工可能なため高度な製造設備や精密な成形技術が必要となるためです。そのため、大量生産される配管や半導体部材ではPFAが選ばれることが多い一方、単純部品やシール材ではPTFEが採用されます。

Q2: 透明なフッ素樹脂を使いたい場合はどちらを選ぶべきですか?

透明性が必要な場合はPFAを選ぶのが適しています。PTFEは不透明で白色をしていますが、PFAは透明であるため流体の可視化が可能です。薬液の流れを確認したい配管や分析機器に最適です。

Q3: 耐薬品性はPTFEとPFAで違いがありますか?

基本的に両者ともに優れた耐薬品性を持っています。酸・アルカリ・有機溶剤に対して極めて安定しています。ただし、加工性の違いから「どのような形で使用できるか」が変わるため、用途に応じた選定が必要です。

Q4: 加工方法の違いによって何が変わるのですか?

PTFEは切削加工が基本となるため、小ロットやカスタム部品に適しています。一方、PFAは射出成形や押出成形ができるため、チューブやフィルムのような大量生産品に向いています。生産数や形状の複雑さを基準に選定すると良いでしょう。

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